ガトーショコラは、クリスマスやバレンタインなどのイベント時にも手作りされることが多いケーキの一つです。
ですが、レシピ通りにガトーショコラを作ってみても、ケーキが期待通りに膨らまないことがあります。 これは手作りケーキにはよくあるお悩みです。
また、レシピによっては、膨らむガトーショコラになるものと、あまり膨らまず重厚感あるガトーショコラになるものがあります。
この記事では、どうしてチョコレートケーキが膨らまないのか?その原因を解き明かし、ふっくらきれいに膨らむケーキを作るための実践的なコツを紹介します。
膨らむ理由を知ることで、参考にすべきレシピを見分けられるようになります。
ぜひ、理想の仕上がりのガトーショコラ作りに活かしてください。
ガトーショコラが膨らまないのはなぜ?
チョコレートケーキが思い通りに膨らまない時、大きく二つの問題が考えられます。
一つは「膨らめない」こと、もう一つは「中心部が沈む」ことです。
この2つの背景には共通の原因があります。
- 生地の温度が低い
- メレンゲの泡立ちの状態
- 生地の混ざり具合
- オーブンの温度設定
それでは、膨らまない理由について、詳しく説明していきましょう。
ガトーショコラが膨らまない原因|生地の温度が低い
ベースになるチョコレート生地は、チョコレートとバター、生クリームを合わせたものです。
温度が低いと油脂が固まってしまいます。
そうすると、しっかりと混ぜ合わせることが難しくなってしまい、生地の陥没や膨らみ不足になります。
ガトーショコラが膨らまない原因|メレンゲの泡立ちの状態
ケーキ作りにおいて、メレンゲの影響は非常に大きいです。
メレンゲには生地に空気を含ませてケーキを膨らませる役割があります。
ガトーショコラを作る際にも、メレンゲが十分に泡立っていないと膨らみが悪くなります。
ただし、メレンゲを固く泡立てすぎた場合も、膨らまない原因となりますので注意が必要です。
泡立てすきてボソボソしたメレンゲでは、生地と混ぜ合わせるときに「混ぜすぎ」を招くからです。
混ぜすぎの影響については次項で説明します。
ガトーショコラの膨らまない原因 |生地の混ざり具合
メレンゲだけでなく、生地の混ざり方もケーキの膨らみに大きく関わっています。
混ぜ過ぎは、メレンゲ自体が潰れてしまうため、膨らみが悪くなります。
反対に、混ぜ不足でメレンゲの泡が残っている状態は、焼いたときに空洞ができてしまい、陥没する原因の一つになります。
ガトーショコラの膨らまない原因|オーブンの温度設定
ケーキ作りでは、オーブンの温度設定がとても重要です。
温度が低すぎるとケーキは十分に膨らみません。
反対に温度が高すぎると、中心が陥没する原因になることがあります。
温度が高すぎると、まだ中心部の温度が低く膨らみきっていないうちに、オーブンから取り出してしまうことになりがちです。そのため、先に中心が冷えて沈んでしまいます。
続いて、これらの膨らまない理由を踏まえて、ガトーショコラを美しく膨らませるコツについて紹介します。
ガトーショコラをふっくら膨らませるためのコツ
中はしっとり、外はふっくらとした美しいガトーショコラを作るための秘訣をお伝えします。
重視すべきポイントは、生地の温度管理、メレンゲの泡立ち加減、生地の混ぜ合わせ方、焼く温度です。
生地の温度管理のコツ
チョコレート生地の温度が下がらないようにすることが大切です。
材料は予め常温に戻しておきましょう。
チョコレートとバターは、湯煎しながら溶かします。温度の目安は50℃です。
生クリームも冷たいまま加えるのではなく、チョコレートとバターに温度を近づけてから加えると、温度が下がりにくくなります。
生クリームは混ぜる前に、レンジで少し温めておくといいですよ。
季節によっては、すぐに温度が下がってしまいますので、暖かい部屋で作業することも大切です。
適切なメレンゲを作るコツ
よく泡立てたメレンゲが必要ですが、泡立てすぎてもよくありません。
しっかりとツノが立つ状態まで丁寧に泡立てましょう。
砂糖には、気泡を安定させる効果がありますが、泡立ちを抑える働きもあります。
卵白に加えるときには、所定の量を2〜3回に分けて加えましょう。
生地を適度にまぜるコツ
生地は混ぜ合わせ不足でも、混ぜすぎでも、うまく膨らみません。
メレンゲを生地に加える際は、メレンゲが見えなくなるまで、均一に混ぜ合わせることが大切です。
白い部分がなくなるように、さっくり混ぜましょう♪
混ぜすぎを予防するために、メレンゲを合わせるときには3回に分けて入れ、混ぜ合わせるといいです。
オーブン温度の正確な設定
必ず、オーブンを予熱してから焼き始めましょう。
決められた温度と時間を守って焼くことにより、生地はほどよく膨らみます。
焼き時間を短くしたくても、オーブンの温度をむやみに上げないようにしましょう。
生焼けや膨らみきっていない状態で取り出すと、後で中心から沈んでしまいます。
生焼けの状態を防ぐには、オーブンから取り出す前に、焼き加減のチェックをすることがおすすめです。
生地の中心に竹串を刺してみて、竹串に何もついていなければ大丈夫です。
生っぽい生地が付く場合は、時間を5分ずつ延長して様子をみましょう。
表面が焦げそうなら、ケーキの上にアルミホイルを乗せて焼くと良いです。
ガトーショコラの理想的な膨らみは?レシピによる違い
通常のスポンジケーキと比べると、ガトーショコラはあまりふわふわと膨らむケーキではありません。
どのくらいの膨らみが適切なのでしょうか?
市販のガトーショコラでは、4〜5cmくらいの高さのものが多く見られます。
これが、一つの目安になります。
また、ガトーショコラのレシピには様々なものがありますが、実は、レシピによっても膨らみ具合に差があります。
これには、「メレンゲの使用するかどうか」と「薄力粉の分量」が特に深く影響しています。
これらによる、膨らみ方や食感の特徴について比べてみました。
メレンゲ使用の有無によるガトーショコラの比較
卵を卵黄と卵白に分けて、卵白でメレンゲを作るレシピでは、 膨らみが大きくなります。
時間が経つと、中心が沈みます。
しっとりとした食感に仕上がります♪
メレンゲを使わず全卵を泡立てるレシピでは、膨らみがは控えめになりますが、時間が経っても沈みにくいです。
より軽やかな食感に仕上がります♪
このように、メレンゲを使用した場合のほうが膨らみが大きく、よりしっとりとした豪華なガトーショコラに仕上がることが一般的です。
薄力粉の量によるガトーショコラの比較
薄力粉はケーキの骨格を作る役割があります。
薄力粉が多めのレシピでは、生地が膨らんだ状態を維持しやすくなり、比較的よく膨らむガトーショコラになります。
薄力粉が少なめのレシピの場合、しっとり感が強く、ムースのようになめらかで重厚感があるガトーショコラになります。
しっかりと膨らむガトーショコラを作りたいときには、薄力粉の分量が多いレシピを選ぶようにしましょう。
このように、レシピによって膨らみ方や食感には違いがあります。
膨らまないことが一概に失敗であるとは言えません。
あまり膨らまないガトーショコラには、膨らむガトーショコラとはまた違った食感や味わいがあります。
ガトーショコラが膨らまない原因とふっくらさせるコツのまとめ
今回の記事では、ガトーショコラがうまく膨らまない原因と、それを解決する方法について詳しく説明しました。
ガトーショコラを上手に膨らませるためには、ポイントがあります。
特に注意したいのは、「生地の温度」「メレンゲの状態」「生地の混ざり具合」「オーブンの温度」です。
ガトーショコラが思ったように膨らまない時は、これらを再度確認してみるのが良いでしょう。
もともと、ガトーショコラはスポンジケーキのようには膨らみません。
参考にするレシピのメレンゲの使用や薄力粉の量によっても、期待できる膨らみ方は異なります。
しっかりと膨らむガトーショコラを作りたいときには、メレンゲを使い薄力粉の分量が多いレシピを選ぶようにしましょう。
これらのポイントを参考にして、ぜひ、お好みのガトーショコラ作りを楽しんでください。