スポンジケーキが思ったように膨らまなかったとき、思い切って新しいデザートに変えてみませんか?
膨らまなかったスポンジケーキも、工夫次第でラスクやティラミス、トライフル、ケーキクラムなど、色々なスイーツに再利用可能です。
元々甘みがあるので、そのまま他の材料と組み合わせれば、手軽に新しい味わいを楽しむことができます。
この記事では、膨らまなかったスポンジケーキのアレンジ方法4つをお伝えします。
スポンジケーキを作ってみたけど、うまく膨らまなかったという方は、ぜひこれらのアイデアを試してみてください。
そして、スポンジケーキが膨らまない原因である「卵の泡立て方」に着目して、
・別立てと共立ての違い
・共立てでスポンジケーキを作る際の重要なポイント
もお伝えします。ぜひ参考にしてください。
ケーキが膨らまなかったときの対処法:アレンジレシピをご紹介
スポンジケーキが上手く膨らまなかったときは、さまざまなスイーツへと再利用してみましょう。
選りすぐりの4つのアレンジレシピをご提案します。
膨らまなかったスポンジを使ったサクサクのラスク
スポンジケーキを約5mm厚にカットし、お好みのサイズに切り分けます。
150℃に予熱したオーブンで15分焼くと、サクサクのラスクが完成します。
材料は失敗したスポンジのみのお手軽レシピです。
型抜きを使ってカットしたら、よりかわいいラスクになりますよ♪
膨らまなかったスポンジで簡単ティラミス
カップにスポンジを入れ、濃いめのコーヒーをかけます。
その上に生クリームとクリームチーズを1:1で混ぜたものを重ねます。
さらに、スポンジ+コーヒー、クリームの層を重ねていき、冷蔵庫で1時間から一晩冷やします。
最後にココアを振りかけて完成。
透明なガラスカップに入れたら見た目もバッチリ♪
膨らまなかったスポンジでカラフルなトライフル
トライフルは、生クリームやカスタードクリーム、スポンジケーキ、フルーツ、ゼリーなどを器の中に重ねて作るスイーツです。
「些細なこと」「余りもの」という意味を持っていて、スポンジケーキの端切れやありあわせの材料を利用して作る、イギリスで生まれた家庭的なデザートです。
手元にあるもので簡単に美味しく作れることが、このデザートの魅力。
膨らまなかったスポンジケーキにピッタリなアレンジレシピですね♪
スポンジを1.5cm角にカットし、お好みのフルーツやクリーム等を用意します。グラスの中に重ねながら盛り付けたら完成です。
簡単なのに見栄えが良く、とても失敗したスポンジケーキとは思えませんよ。
器や盛り付け方を工夫すれば、おもてなしにも最適です。
膨らまなかったスポンジで多彩なケーキクラム
スポンジケーキを手で細かくちぎり、クッキングシートを敷いた天板に広げます。
150℃に予熱したオーブンで15〜20分焼きます。
冷めたらフードプロセッサーでさらに細かく砕けばケーキクラムの完成です。
アイスクリームやヨーグルトと合わせただけでも楽しめますし、タルト生地に利用することもできます。
ケーキクラムは冷凍で1ヶ月ほど持ちます。
保存しておくと色々使えて便利ですよ♪
スポンジケーキが膨らまないときの原因
スポンジケーキが思うように膨らまない原因の中でも、最も多いのは「泡立て不足」と「泡を潰してしまう」ことです。
卵の泡立ちがスポンジケーキの膨らみに直結します。
スポンジケーキが膨らむメカニズムを簡単に説明すると、
卵を泡立てることで生地に気泡を含ませ、それをオーブンの熱で膨張させて膨らませています。
そのため、スポンジケーキをふんわり膨らませるためには、しっかりと空気を含ませる卵の泡立ての技術が必要不可欠となります。
スポンジケーキを作るときの卵の泡立て方には2種類あります。
「別立て」と「共立て」です。
まずは、この2つの泡立て方の違いについて、詳しく見ていきましょう。
別立てと共立ての違い 初心者にはどちらが適してる?
卵の泡立て方には、
- 卵白と卵黄を一緒に泡立てる共立て
- 卵白と卵黄を別々に泡立てる別立て
の2種類があります。
共立てと別立てでは、生地に含まれる気泡の量が異なり、仕上がりの食感に微妙な差が出ます。
- 共立てだと、きめ細かくしっとりとした食感
- 別立てだと、ふわふわの軽い食感
が得られます。
一般的にケーキ屋さんでは、
デコレーションケーキなどは、共立てで作られることが多く、ふわふわのシフォンケーキやブッセは別立てで作られていることが多いです。
共立てで作ったスポンジ生地をジェノワーズ、
別立てで作ったスポンジ生地をビスキュイと呼びます。
自宅で手作りするなら、共立てでも別立てでもやりやすい方で問題ありません。
両方の泡立て方でスポンジケーキを作り比べたら、その食感の違いに気づくかも知れませんが、多くの場合、どちらで作ったスポンジケーキでも美味しくいただけるでしょう。
デコレーションするのであれば、なおさらです。
そこで、ケーキ作りの初心者さんにおすすめなのは、別立てです。
卵白がしっかりと泡立っていることが目で確認しやすいからです。
卵白がピンと角が立つのを目安に、ボウルを逆さまにしても落ちないくらいまで泡立てます。判断しやすいので失敗しにくいといえます。
共立てで作るスポンジケーキも、ポイントを押さえれば上手に膨らませることができますよ。
次項で膨らまない理由を理解して、共立てに挑戦してみましょう。
共立てで膨らまないスポンジケーキのよくある原因
スポンジケーキが上手く膨らまない主な原因は、「泡立て不足」と「泡を潰してしまう」ことです。
共立ての際は、別立てよりも泡立ちにくいため、湯せんとハンドミキサーの使用が必要になります。
卵の泡立て不足
卵は温度が低いと泡立ちにくくなります。
どんなに混ぜても、低温では十分に泡立てることはできません。
約60℃の湯せんで卵液を温めながら泡立てましょう。
卵液が35〜40℃程度になったら、湯せんから取り出し、ハンドミキサーで約10分間しっかりと泡立てます。
生地がきちんと形を保つまで泡立てる必要があります。
生地をすくったときに、
リボンのように帯状になり、落ちた生地の跡が消えずに立体的に残るくらいが目安です。
薄力粉やバターを入れたあとでは、もう気泡を含ませることはできないため、しっかりと泡立てるようにしましょう。
薄力粉をふるっていない&しっかり混ざっていない
薄力粉は気泡をコーティングする役割があり、混ぜ方にムラがあると上手く膨らまなくなります。
薄力粉をふるうことで、均等に混ざりやすくなりますので、必ず2回は振るいましょう。
生地には、混ざりやすくするため数回に分けて加え、粉気がなくなるまでしっかりと混ぜます。
また、薄力粉をふるわないと、ダマになり混ざりにくくなりますので、結果として生地の混ぜすぎに繋がります。混ぜすぎも、ケーキが膨らまなくなるので注意が必要です。
次項で詳しく説明します。
生地の混ぜすぎ
スポンジケーキを上手く焼くコツは、気泡を潰さないことにあります。
生地の混ぜすぎは、泡立てた卵の気泡を潰してしまうことになりますので、スピーディーにさっくり混ぜ合わせることが大切です。
混ぜすぎは、グルテンが生成され生地に粘り気もでるため、重たく膨らみにくくなります。
混ぜるときは、ひらがなの「の」の字を書くように、底から優しく手首を反らせながら、粉を生地に折り込むように混ぜます。
手首を反らせる動作をしながら、もう一方の手でボウルを大きく半回転させると、材料が素早く混ざり合い、より効率的に作業を進めることができます。
バターが上手く混ざっていない
生地にバターを加えた後も、混ぜ過ぎると気泡が壊れてしまい、生地が膨らみにくくなります。
素早くませることが大切ですが、バターの油分が混ざりにくいこともあります。
この問題を解決するためには、先にバターに少量の生地を混ぜ合わせておくと良いでしょう。
より簡単に、材料を均一に混ぜ合わせやすくなりますよ♪
また、バターは低温だと固まる性質がありますので、生地に溶け込みにくくなります。
生地に加えるときは、60℃に温めて溶かしたバターを使用するようにしましょう。
気泡がつぶれた生地の配置ミス
ボウルに残った最後の生地は、時間が経って気泡が潰れている可能性があります。
この部分は、中央に流し込まず、火が通りやすい型の端に配置することが望ましいです。
オーブン温度が低すぎる
オーブンの温度が低いと、生地が十分に膨らまないことがあります。
適切な予熱が必須です!
スポンジケーキが膨らまなかった時のアレンジ方法と原因のまとめ
スポンジケーキが上手く膨らまなかった時でも、他のデザートへと生まれ変わらせることができます。
元々甘みを持つスポンジケーキは、さまざまなスイーツに変身可能です。
カットして焼くだけでサクサクのラスクが作れますし、細かく砕いてタルトの底としても利用できます。見栄えもいいティラミスやトライフルはおもてなしにピッタリなデザートです。
スポンジケーキがきちんと膨らむためのコツは、
- 卵をしっかり泡立てること
- 気泡を潰さないこと
十分な気泡を持った状態で焼く必要があります。
混ぜ過ぎや時間の経過によって気泡が潰れてしまうので、速やかに混ぜて、予熱されたオーブンで焼きましょう。
特に初心者さんには、卵白を個別に泡立てる「別立て」がお勧めです。
そのほうが、卵白がしっかり泡立っているのを確認しやすくなります。
「共立て」は、よりしっとりとした繊細な食感のスポンジケーキを目指せます。
「別立て」よりも泡立ちにくいため、ハンドミキサーの使用が推奨されます。
膨らまない原因を理解し、ぜひ次はふんわりと膨らんだスポンジケーキに挑戦してみて下さい。