チョコレートが溶けることは、よくある経験ですよね。
そんな時、溶けたチョコレートを冷蔵庫で元の状態に戻すことはできるのでしょうか?
確かに冷蔵庫で固まることはありますが、その結果、味が落ちてしまうことが多いのです。
この記事では、
- 冷蔵庫に入れたら味が落ちる原因
- チョコレートの適切な扱い方や保存のコツ
- 白く変色してしまったチョコレートへの対応方法
についてご紹介します。
チョコレートが溶けてしまった時や白くなっていた時、適切な保管の仕方が知りたい方の参考になれば嬉しいです。
冷蔵庫で固めた溶けたチョコレートの美味しさは戻る?
溶けてしまったチョコレートは冷蔵庫で固めても、もとの美味しいチョコレートにはならないのが現実です。
冷蔵庫で冷やして固めることはできるけれど、味や口どけの質が下がってしまうのです。
溶けたチョコレートが冷えて再び固まると、よく表面が白く変色します。
このような状態になると、残念ながら風味や口どけが悪くなっています。
冷蔵庫でチョコレートが白くなるのは何?
チョコレートが白くなるのは、「ブルーム現象」または「ブルーミング」という現象です。
カビではありませんので食べても問題ないのですが、チョコレート本来の味わいは失われており、あまり美味しく感じられないでしょう。
この現象には「ファットブルーム」と「シュガーブルーム」の2種類があります。
ファットブルームとは?
チョコレートが固まるのに時間がかかりすぎると発生する現象です。
チョコレートが温まると、ココアバターが溶け出し表面に現れます。
冷えて固まると、このココアバターが白く見える状態になります。
これがファットブルームです。
シュガーブルームとは?
急激な温度変化でチョコレートが反応する現象です。
例えば、冷蔵庫から暖かい場所へ移した時、温度変化によりチョコレートの表面に水滴が生じます。
この水滴がチョコレートに含まれる砂糖を溶かし、水分が蒸発した後、砂糖が再結晶化して白い斑点を形成します。これがシュガーブルームです。
一般的に、チョコレートが白くなる主な原因はファットブルームです。
これはチョコレートが一度溶けた結果であり、適切な温度管理がされていないことが原因です。
では、チョコレートを溶かさずに保存する最良の方法とは何でしょうか。
続いて、おすすめの保存方法を紹介します。
冷蔵庫でのチョコレート保存で味は落ちる?正しい保存法とは
チョコレートを冷蔵庫で保管すると風味が低下するとよく言われますが、これはブルーム現象や間違った保存方法によるものです。
チョコレートは20℃以下で湿気が少ない環境で保存するのが理想的です。
室温が高くないときには、常温保存も可能です。
冷蔵庫で保存する際には、特に野菜室がおすすめです。
野菜室は通常の冷蔵庫の温度設定よりも高めで、室温との温度差が少ないため、急激な温度変化を避けることができます。チョコレートにとってより適した環境です。
チョコレート保存の際のコツ
チョコレートは光に弱いため、遮光目的でアルミホイルで包むことが推奨されます。
市販の板チョコが銀紙で包まれているのはこのためです。
アルミホイルで包むことにより、カカオの香りを長持ちさせることができます。
包んだ後、さらにジップ付きの袋に入れて、空気をしっかり抜きましょう。
これは、カカオバターが他の食品の匂いを吸収しやすいためです。
ジップ付きの袋を使用することで、他の食品の匂いが移るのを防ぎ、カカオの風味を保持することができます。
チョコレートは約20℃での口溶けが最も良いとされています。
冷蔵庫や野菜室で保存したチョコレートを食べる際には、常温に戻してから食べると、より美味しく味わうことができます。
チョコレートを冷凍で保存できる?
チョコレートの冷凍保存は可能ですが、解凍の際に結露ができやすく、シュガーブルームが発生する可能性があるため、あまりおすすめはしません。
解凍の際には、温度差をできるだけ少なくするため、いきなり室温に戻すのではなく、一旦冷蔵庫に移して解凍したのち、室温に戻したほうが良いでしょう。
白くなったチョコレートは元に戻せる?
ブルーム現象で白くなったチョコレートも、テンパリングという方法を使えば、光沢があり美味しいチョコレートに復活させることができます。
以下、テンパリングの手順を説明します。
●テンパリングの手順
- チョコレートを細かく砕いてボウルに入れます。
- 50〜55℃の湯煎で温め、チョコレートを完全に溶かします。
- チョコレートが溶けたら、冷水につけてゆっくり混ぜながら冷やします。
チョコレートの温度は約27℃が目安です。 - 再び湯煎でチョコレートの温度を約32℃に上げます。
ここで、32度より高温になりすぎると、冷やした時にブルーム現象が起こり、再び白くなるので注意が必要です。
また、テンパリング時はチョコレートに水が入らないように気をつけてください。
水分が入るとチョコレートの油分が分離し、固まらなくなることがあります。
テンパリングは微妙な温度調整が必要で敬遠されがちですが、温度計なしでできる方法もあります。
挑戦してみたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
>>>温度計なしでも問題ない!チョコレートのお菓子作りにおけるテンパリングの秘訣と対応策
テンパリングに自信がない人や面倒な場合は、リメイクを試してみるのも良いでしょう。
料理初心者の方はホットチョコレートがおすすめです。
細かくしたチョコレートを沸騰した牛乳に入れて混ぜるだけで簡単に作れます。
チョコレートケーキやカレーの隠し味などとしても使えますので、一度溶けて白くなってしまったチョコレートも上手に活用しましょう。
溶けたチョコレートが冷蔵庫で白くなる理由や対処法のまとめ
溶けたチョコレートは品質が落ちて、風味が悪くなってしまいます。
多くの人に、夏など暑い時期に買ってきたチョコレートが溶けてしまった経験があるのではないでしょうか。
まずは、チョコレートを溶かさないように注意することが大切です。
高温多湿を避けて保管しましょう。
暑い季節は、冷蔵庫の野菜室がおすすめです。
すでに白くなってしまったチョコレートは、テンパリングで復活させるか、他の調理に活用してしまいましょう。
適切な温度と保管方法を守れば、美味しいチョコレートを最高の状態で楽しむことができます。